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読書録「対話篇」

「対話篇」 金城 一紀・著 新潮文庫


この著者の作品を読むのは初めてである。
最初に本作を選んだのはよかったのかどうか迷うところ。
どうやらほかの作品とはひと味違うらしいのだが、
わたしは読んでいないので比べることはできない。

読み終えた感想は、
あっさりしていて読みやすい、というもの。
軽快さや爽快さ、明るさといったものはほとんどなく、
起伏の少ない淡々とした感じなので
就寝前にベッドで読むのに適していた。

本作には短めの中篇が3つ収められている。
それぞれ独立して読むことができるが、
共通の舞台や人物が出てくるので、ゆるい連作なのかもしれない。

3話とも、表題通り対話を通して語られる恋愛小説だ。
1話目、2話目と読み進んだときに、
これは尋常ならざる運命を背負った人の物語なのかと思った。
しかし、3話目はどうやら運命は関係ないらしく、
少し肩透かしをくらった感があった。

確実に言えるのは、全篇通して死の匂いが濃厚に漂っていること。
死を直前にした者にはそれぞれのドラマがあるということなのかもしれないが、
それほどまでに死にこだわる必要があるのか疑問に思ってしまった。
単にドラマティックなものにしたいだけだとすれば、
安易な感じが否めない。

ここからはネタバレになるので、未読の人は注意してほしい。

1話目に登場するのは、親しく関わった人物は必ず死んでしまうという
悲しい運命を背負った男子大学生。
大学の同級生である主人公との対話によって、
彼が経験した恋愛が語られる。
このような設定は何もこの小説のオリジナルではなく、
似たようなシチュエーションはたくさんあるので
新鮮味は感じられなかった。
淡々とした会話によって切なさが増しているのは、
作者の手腕といったところか。

2話目に登場するのは、
普段は日本の男子大学生として生活しているのだが、
実はとある国家に代々仕える暗殺者。
この設定はコミックやライトノベルにありがちなパターンではないだろうか。
3篇のうち一番ブラックな読後感があり、
個人的には好きなオチである。

3話目は、先の2篇に比べるととてもポジティブで前向き。
もちろん、かなり最後の方までは死の色が濃く出ているのだが、
希望に溢れるラストで救われる。
この話を本作の最後に持ってきたことで、
全体として爽やかな読後感で終わることができる。

文章は平易で、ストレートな物語であるので、
普段小説を読み慣れていない人でも
あっという間に読み終えることができるだろう。
駆け抜けるようなスピード感や
ドキドキするような盛り上がりはないけれど、
静かに読書を楽しみたい人にはいいかもしれない。


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| 読書録 | 20:16 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

No title

私は、この本大好きなんですよ。内容はあんまり覚えてないのですが(笑)
好きだったというのを覚えているんです(爆)
2年くらい前にブログでも紹介しています。
なんとなく思い出してきましたが、「死」の話なのに、さわやかなんですよね。
これが好きで「映画篇」も読みました。

| らずむっち | 2009/07/27 13:57 | URL | ≫ EDIT

コメントありがとうございます!

☆らずむっちさん

そう、「死」の話なんだけど重苦しくはないんですよね。
これは読みやすさの点から言うと嬉しい点です。
ただ、何というか、現実的な死はもっとドロドロしているだろうから、
この本ではドラマティックな味付けをしたいだけの死なのかな?と
そんなふうに感じてしまいました(汗)
本作以外では、この作者は違った作風みたいですね。
映画篇はどんな感じなのか、そのうち読んでみたいです。

| よつばのかーちゃん | 2009/07/28 20:13 | URL | ≫ EDIT















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