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イベルメクチン中毒について調べてみた

注)以下の記事は、2008年4月26日に旧ブログに書いたものです。


                    


よつばが病院で処方してもらっているフィラリア予防薬は、イベルメックです。
一昨年はカルドメックでした。
ネットで調べたところ、どちらもイベルメクチンを含む薬でした。

コリーを始め、シェルティーやオーストラリアン・シェパードなど、
一般に「コリー系犬種、牧羊犬」と言われる犬種は、
イベルメクチンに対して重篤な中毒症状を示すことがあり、投薬には注意が必要であると言われています。
わたしも、ネットで読み、イベルメクチン中毒という言葉は知っていましたが、
実際にどのようなものなのか、どうして中毒症状が起きるのかは分かっていませんでした。

よつばが3回目の夏を迎える今、
重い腰をようやくあげて、イベルメクチン中毒について真面目に調べてみました。
その結果、わたしが理解したことをまとめたので、ここに記載したいと思います。

コリー系犬種の飼い主さんはもちろん、それ以外の犬種の飼い主さんも
すでにご存じのことかもしれないですけど、もしよろしければお付き合いくださいね。

今回はよつばの写真なしで、プレゼンのスライド風にまとめてみましたよ。
って、誰にプレゼンする予定もないのにね(笑)


スライド1


イベルメクチンは、普通にフィラリア予防薬として処方される薬の成分です。
コリー系犬種でなければ、何の問題もなく処方されていると思います。
チュアブルタイプの薬が一般的なので、飼い主が投薬しやすいというメリットがあるようですね。
けれど、この成分が重篤な中毒を起こすことがある、といわれているのがコリー系犬種です。
純粋なコリーだと、約80%のコリーが中毒の危険性があると言われているようです。
この数字にどのような根拠があるのかは不明ですが・・・


スライド2


今までの統計から出された数値だと思うのですが、
一般にフィラリア予防として使われるイベルメクチン量では、中毒症状は現れないようです。
「いや、通常のフィラリア予防の量でも中毒症状が出た」という報告もあるようなのですが、
これはその個体にかぎっての、複合的な理由によるものではないかと思われます。
注意しなければならないのは、イベルメクチンはアカラス(毛包虫)などの治療にも使用され、
その投薬量はフィラリア予防より多いということです。
この場合は、治療にイベルメクチンを使用するのか否かを獣医さんと相談することが必要だと思われます。


スライド3


少し前までは、なぜイベルメクチン中毒になるのか分かっていなかったのですが、
現在はmdr1遺伝子の変異が原因であることが判明しています。
コリー系犬種では、この遺伝子が壊れてしまっている個体が多いんですね。


スライド4


大事な大事な組織である、脳などの中枢神経系は、外からの異物から保護されるように作られています。
それが、血液脳関門と呼ばれるシステムです。
通常は血液中に異物・薬物が入ってきても、それが脳にまで届かないようにポンプで汲み出しているのですが、
コリー系犬種ではポンプが壊れて汲み出せなくなっている場合があるのです。
すると、血液中の異物・薬物が脳内に進入してきます。
入ってきた物質が、脳に影響しないものなら問題ないのですが、
イベルメクチンは神経に作用してしまうために、中毒症状として現れるのです。


スライド5


中毒症状を現すのは、イベルメクチンだけではありません。
実は、たくさんの薬物が中毒を起こす原因になるのです。

フィラリア予防に使われるイベルメクチン量であれば問題がなくても、
たとえば愛犬がガンになった場合に治療に用いられる抗ガン剤の多くが、
中毒症状を引き起こす可能性があるのです。
同様に、心臓疾患の治療に用いられる薬や、重度のアレルギー疾患に用いられる薬もです。
つまり、愛犬が病気になっても、薬が使えずに治療できない可能性があるのです。

本当のイベルメクチン中毒の怖さは、ここにあるのかもしれませんね。


スライド6


イヌもヒトも、2倍体といって遺伝子を2つセットでもっています。
イベルメクチン中毒の原因となるmdr1遺伝子も、2つもっているわけです。

2つある遺伝子のうち、2つとも正常なmdr1遺伝子であれば中毒を起こす危険性はありません。
けれど、片方の遺伝子に変異があると、中毒を起こす可能性が少し高まります。
図解で示した、正常なMDR1タンパク質と、変異したMDR1タンパク質が半々に存在するので、
ポンプで薬物を汲み出せる量が半分になっているんですね。
これがイベルメクチン感受性犬です。
そして、2つとも変異していると、重篤な中毒症状を起こす可能性が高いのです(超感受性犬)。


スライド7


コリーであっても、全ての個体がイベルメクチン中毒を起こすわけではありません。
mdr1遺伝子の変異をもっていない個体もいるのです。
では、その遺伝はどうなっているのでしょうか?

高校で生物を習った人は、遺伝について学んだと思います。
たとえばABO式血液型の遺伝とか。いや、やっぱりエンドウマメかな?(笑) それを思い出してくださいね。

正常な個体同士を交配して仔犬を作った場合、当然ながら正常な仔犬しか産まれません。
しかし、感受性犬同士を交配すると、
産まれてくる仔犬は、正常犬と感受性犬、超感受性犬が1:2:1の割合で産まれてきます。
見た目では判断できません。
多量のイベルメクチンを投与して、初めて「このイヌは感受性犬だ」と分かるのです。

でも、中毒を起こしてからでは遅いですよね。
うちのコは大丈夫? mdr1遺伝子の変異はないのかな? 心配になって当然です。


スライド8


イベルメクチン中毒の原因がmdr1遺伝子の変異であることが判明したので、
今では容易に検査で調べることができます。
動物病院によっては検査してくれることもあるようですが、
まだまだ未対応の病院が多いと思います。
そんなときは、民間の検査会社に頼むと調べてくれるようですね。

こんな遺伝子検査、試薬コストだけなら高くても数百円ですむはずですが、
人件費やその他もろもろのためにお高くなってますねぇ。

でも、もし愛犬がガンや心臓病などになった場合、治療の前にmdr1遺伝子の検査をしておいた方がいいかもしれません。


スライド9


コリー系犬種の飼い主が、独自に愛犬の遺伝子検査をするとしても、
やっぱり、できるだけこのような危険をもたない個体を増やしていくことが大事ではないでしょうか?
イヌの繁殖は、イヌが勝手に交配するのではありません。
必ずと言っていいほど、ヒトの手が介在するのです。
原因がはっきりしている遺伝子異常は、できるだけ増やさないよう努力するべきではないでしょうか。
これは、イベルメクチン中毒にかぎりません。

犬種固有の容姿や気質を保存することと同時に、
命をも脅かす遺伝子異常をなくすこと、今の時代ならできるはずだと思います。


以上、イベルメクチン中毒について理解したことをまとめてみました。
間違いや、不正確な記述がありましたら、全てわたしの責任ですのでご指摘ください。

参考にさせていただいたサイトは数多くあるのですが、よくまとまっていて特に参考になったのは
http://homepage3.nifty.com/DEAR-MOSES/DearMoses/note12.htmlです。

また、ヒトのmdr1遺伝子についてなのですが
http://omim.org/entry/171050を参考にしました。


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<わたしのブログ内での関連記事>
イベルメクチン中毒について(補足)
投薬は2ヶ月に一度でOK?

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